牛乳は九州が良いからカルシウム摂取に良いということの誤り (2018-01-22)|大腸カメラ 福岡市 まつもと胃腸内科

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牛乳は九州が良いからカルシウム摂取に良いということの誤り

最新ニュース:牛乳は九州が良いからカルシウム摂取に良いということの誤り

2018/01/22

まず栄養関係の人たちが言っている事は「牛乳は非常に吸収が良い」ということです。これはどういうことを意味しているのでしょうか。

ほんとうに牛乳を飲むと腸からカルシウムがよく吸収されるとすれば、血中のカルシウム濃度は高くなります。しかし人間の血液中のカルシウム濃度は一定で、9~11㎎/ccと決まっています。ところが牛乳を飲んだあと血中カルシウム濃度が急激に上がったとすれば、一体人間の体の中でどうなるでしょうか。今度はカルシウムは体から急速に排泄されなければなりません。「牛乳のカルシウムは吸収が良い」等というのはそこを考えていないのです。アメリカの栄養学の本の中に、牛乳や乳製品のカルシウムは30%ぐらいしか吸収しない、結局吸収はあまりよくないと書いてるものもあります。

牛乳をコップ一杯飲んだからと言って、カルシウム量が一気に増えて体に悪いということはないかも知れません。いずれにしてもカルシウムの量が血中で一定以上になりますと、体はそれに対して拒絶反応を起こします。からだにはホメオスタシス(生体恒常性)といって、血液中の成分でも一定の割合に保とうとうる働きがあります。

カルシウムの濃度が一定以上に高くなると、腎臓から急速に排出しようとします。排出する時、余剰のカルシウムだけを排出すれば良いのですが、同時にマグネシウムも亜鉛も鉄も他のミネラルも一緒に排出してしまうのです。アミノ酸やビタミン類だって一緒に尿から排出されてしまいます。

牛乳には人間の母乳の何倍ものカルシウム、6倍ものリンが含まれていると言われています。人間のお乳と牛乳で、どうしてそんな違いがあるのでしょうか。それはそれぞれの発達過程と密接に関係があると思われます。人間は十五年から二十年かけて成長し大人になります。それに対して牛は1~2年で一人前にならなくてはなりません。それだけ早く成長させるために、牛の乳にはカルシウムやリンがたくさん入っているのです。ゆっくり成長する人間の子供にとって、余分な成分は必要ではありません。余分な成分が入っても、それによって消化不良になり、体外に捨てられるだけです。そのために肝臓や腎臓に負担が掛かって、かえって体を壊してしまう原因にもなります。

今、アメリカでは多くの小児科の医者は、子供たちに低脂肪のスキムミルクさえでも一日コップ一杯以上は飲ませない方が良いと言っています。アメリカは牛乳接種の反省期になっていると思うのですが、牛乳をたくさん飲ませ、肉をたくさん食べさせて育ったような子供たちに、二十歳前に肥満や動脈硬化が表れているのです。食べ物のない国の子供たちに栄養をとらせるために牛乳を与えるのはいいかも知れませんが、食べ物が豊富にある国の子供に、他の豊富な動物タンパクとともに、牛乳がからだによいからとたくさん飲ませるのは間違っています。

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