肥満と腸相その2
肥満と腸相その2
2018/02/02
このほか肥満の人達のリスクファクトとして腰痛症、静脈瘤、胆石、便秘、骨関節炎、女性ホルモン以上、子宮筋腫、卵巣嚢腫、前立腺肥大およびガンなどに罹患する率が高くなると言われています。たとえば20%の肥満の人は胆石になる可能性が二倍になると言います。
上半身肥満型であるリンゴ型肥満の人たちの中には、おなかの皮下脂肪が非常に厚い人と皮下脂肪はあまりないのに腹腔内に脂肪がたくさんついている人がいます。後者の腸の回りや腸間膜などに内臓脂肪がたくさん詰まっている人たちは心臓病、高血圧症、糖尿病、前立腺肥大、前立腺がん、子宮がん、卵巣がんや乳がんなどにもかかりやすいというデータが出ています。
中年以降のリンゴ型肥満の人たちの中で、おなかの皮下脂肪が厚い人の大腸を内視鏡カメラで検査しますと、一般にS状結腸から 下行結腸に掛けて多数の憩室が見られ、腸内菌層の肥厚、緊張、けいれんにより腸内腔の狭窄がみられます。ただしこのような人たちの場合でも大腸の回りや腸間膜などの内臓脂肪がしっかりたまっている人たちに比べると、大腸は一般的に非常に長く、スコープを挿入していくときに大腸は割合簡単に左右上下に進展収縮が出来やすい状態として感じる事が出来ます。
一方腸間膜や大腸の回りに分厚いい内臓脂肪がたまっている人たちは、無数の大小の憩室と共に腸の内腔が外部から圧迫されたように細くなり、大腸カメラを入れて操作する場合に腸自信が非常に重く感じられます。また大腸自身、周りの厚い脂肪のために空気を挿入しても進展がほとんどなく、上下左右の動きも自由にできない状態になるので、カメラの挿入がより難しくなる訳です。
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